――不思議な楽士の少年たちと出会った。

ラヤ・オに会いに行った日の帰り道。少し歩きたくて、日の暮れ始めた黒衣森を眺めながらゆったりと歩いていたときに、森の奥から歌が聞こえてきたのだ。

ふらりと何かに誘われるように向かった先には、輝く銀糸を風に靡かせながらヴァイオリンを弾くヴィエラ族の少年と、目を瞑り、柔らかな表情で歌い続けるヴィエラ族の少年がいた。

こちらを振り向いた2人に、私はまだ、どこか懐かしいこの歌を、この曲を聴いていたくて、思わず声をかけたのだった。

――懐から笛を取り出し、音を奏でる。

郷愁を感じさせる曲調に、澄んだ歌声と華やかな弦楽器の音を思い出し、黒衣森に軽やかな音色を響かせる。

優しくも儚い様子の彼らの、何かを探している旅路に、幸が多からんことを願って――